Web接客とは
まず初めに「Web接客」という言葉の定義について説明します。
Web接客とは、文字通りWebページ上で訪問ユーザーに対して接客を行うことを指します。
リアル店舗でイメージするとわかりやすいのですが、
例えばアパレルショップにユーザーとして来店し、あるシャツを熱心に見ていたとしましょう。
そうすると、ショップ店員が試着を促してくれたり、
どんなイメージのシャツを探しているか等をヒアリングし他のおすすめの商品を紹介してくれたりします。
ところが、通常Webページはあらかじめ用意しておいたコンテンツのみをユーザーに表示するので、
こういったリアル店舗ならできるようなユーザーとのインタラクティブな会話が難しく、
いわば商品を陳列しているだけの状態なので、
ページのコンテンツだけだと商品購入やサービス申込といったコンバージョンの決め手に欠けてしまうという課題があります。
そこでWeb接客という仕組みを導入することで、
Webページ上でもユーザーとのインタラクティブな会話を実現し、
ユーザーの離脱を防止し、コンバージョン率を引き上げることができます。
広義にはこういったことを実現する施策全般を「Web接客」と言いますが、
デジタルマーケティングの分野では、より狭義に以下のような施策を指すことが一般的です。
- ポップアップ型Web接客
- シナリオ・チャット型Web接客
Web接客の種類
それでは 「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」それぞれのWeb接客についてより詳しく見ていきましょう。
ポップアップ型
まずは「ポップアップ型」と呼ばれるWeb接客です。
このタイプは、ユーザーがページを離脱しようとした時や、
ユーザーが一定の割合でページをスクロールした時等、
任意のイベントが発生したことを契機として、
ページ上にバナークリエイティブをポップアップ表示するようなWeb接客となります。
バナークリエイティブをユーザーがクリックすることで、
商品・サービスの公式LINEアカウントの友だち追加リンクや、
サイト内の別ページ(例:申し込みフォーム)等、
任意のページに誘導しユーザーに次のアクションを働きかけるのが一般的です。
シナリオ・チャット型
次は「シナリオ・チャット型」と呼ばれるWeb接客です。
このタイプは、シナリオ・チャットを起動するボタンをページの右下や左下に配置しておき、
ユーザーがページを読み込んだ時や起動ボタンをクリックした時等に、
同一ウィンドウ内でチャット形式のUIを表示するようなWeb接客となります。
表示するチャットは、
あらかじめユーザーの回答パターンごとにシナリオを設定しておく場合と、
裏側でオペレーターを待機させて都度マンパワーで個別対応をする場合とがあります。
最近ではAIを活用してチャットボットのように自動応対させるケースも増えました。
最終的にはシナリオ・チャット内で、
サイト内の別ページ(例:申し込みフォーム)への遷移や、
商品の購入であったりサービスの申し込み等、
ユーザーに次のアクションを働きかけるのが一般的です。
「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」それぞれの特徴
代表的なこれら2つのWeb接客それぞれの特徴をまとめます。
ポップアップ型 | シナリオ・チャット型 | |
---|---|---|
表示タイミング | 「ページ離脱」「スクロール」「滞在時間」「要素クリック」等、幅広い選択肢がある | 基本的には「ページ読み込み直後」もしくは「チャット起動ボタンクリック」のいずれか |
商品・サービス訴求力 | バナークリエイティブ内で訴求できる範囲にとどまる。クリエイティブの品質が重要 | チャット内でユーザーと対話しながら訴求できる。シナリオの設計が重要 |
運用工数 | 比較的少ない | 比較的多い |
CV純増・CVR改善効果 | 比較的小さい | 比較的大きい |
おすすめの導入ケース | 離脱しようとしたユーザーを公式LINEに誘導する等、ナーチャリングの一環として導入 | 離脱しようとしたユーザーを直接CVまで引き上げる等、LPOやEFOの一環として導入 |
このように、「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」は異なる特徴があるため、
それぞれの利点を最大限引き出せるように導入設計することが重要だと考えられます。
複合型
また、「ポップアップ型」と「シナリオ・チャット側」を組み合わせた複合型のWeb接客もあります。
複合型のWeb接客の場合、
まず「ポップアップ型」の要領でバナークリエイティブを表示し、
ユーザーがバナーをクリックしたタイミングで「シナリオ・チャット型」の要領でチャットUIを表示する、
…といった流れになります。
「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」それぞれの利点を組み合わせた形になり、
より効果的にマーケティング施策としてのWeb接客を行えるため、
当社としては複合型のWeb接客をおすすめしています。
Web接客ツールについて
それでは、こういったWeb接客施策を実施するにはどうすれば良いのでしょうか。
もちろん、自社のニーズに応じて、
Web接客の仕組みをインハウスでシステム構築することも可能ではありますが、
クリエイティブやレポートを柔軟に管理できるようなシステムを構築・保守運用するとなると、
かなりの開発リソースが必要となってきます。
そのため、SaaSとして提供されているWeb接客ツールを導入することが一般的です。
Web接客ツールを導入することで仕組みの構築や保守運用自体は不要となり、
マーケティング担当者がクリエイティブやシナリオの企画制作や効果検証といった、
コアな運用業務に集中することができます。
Web接客ツールのメリット
Web接客ツールを導入することによるメリットを紹介します。
開発リソースほぼゼロで導入できる
ほとんどのWeb接客ツールはJavaScriptタグをページに設置するだけで導入できます。
そのため、インハウスでシステム構築・保守運用するための開発リソースはもちろんのこと、
導入の初期対応のための開発リソースについても、
ほとんどかからないということが多いです。
特にページにGoogleタグマネージャー等のワンタグツールを導入済みであれば、
マーケティング担当者の作業だけで完結することもできます。
A/Bテストなど効果検証のための機能を活用できる
Web接客ツールは基本的なクリエイティブやレポートの管理だけでなく、
いくつかのクリエイティブをA/Bテストできたり、
ツール経由のコンバージョンを測定するといった、
効果検証を行うための機能が用意されていることが多いです。
これらを活用することで、Web接客施策を実行するだけでなく、
実行後の効果検証や検証結果を踏まえた次回施策の練り直しといった、
PDCAが回しやすくなるのもメリットです。
ツール事業者のサポートを受けられる
Web接客ツールはただアカウントを発行してツールを提供するだけでなく、
付随してツールの活用に関するサポートも提供していることが多いです。
もちろん、事業者によってこういったサポートは別費用が必要になったり、
マーケティング改善といったコンサルティング領域ではなく、
あくまでツールの利用方法といった領域のみのサポートに留まったりと、
どういった範囲・レベルのサポートを行うかは異なります。
ですが、デジタルマーケティングのノウハウが豊富な事業者を選定することで、
Web接客施策を通じてマーケティングの全体的な改善にまでつなげられる場合もあります。
Web接客ツールの注意点
一方でWeb接客ツールを導入する際の注意点もあります。
表示できるクリエイティブや検知できるイベントが豊富か
Web接客において施策の成功・失敗を左右する重要な要因として、
「表示するクリエイティブの品質」「どういったタイミングでどういったユーザーに表示するか」の2点があります。
効果的に商品・サービスを訴求しユーザーの興味関心を引くためには、
Webサイトを訪問するユーザーのニーズやインサイトを適切に捉えたクリエイティブであることと、
ユーザーが受け入れやすいタイミングで表示することを考慮しなければならないので、
Web接客ツールを導入する場合、こういった要求を満たすかどうかをチェックする必要があります。
例えば、ツール側が画像データの入稿のみにしか対応していない場合、
自ずと品質を向上するためにはデザインの制作リソースが貴社側で必要になってしまいます。
一方、ツール側が動画やHTMLといった豊富なクリエイティブの種類に対応している場合、
制作リソースを抑えてクリエイティブの品質向上を目指すこともできます。
また、ユーザーがブラウザバックする度に無条件に表示するといった設定しかできない場合、
ユーザーの興味関心度を引き上げるどころか、逆に引き下げる結果になりかねません。
一方、ユーザーの様々な挙動を検知できたり、再訪ユーザーには出さないといった、
細やかな制御ができれば、より適切なタイミングでユーザーに働きかけることができます。
ユーザー体験を損なわないUIか
「ポップアップはユーザーにネガティブな印象を与えるのではないか?」
「ポップアップによって逆にUXが悪化しないか?」
こういったご質問を当社はよく頂戴します。
マーケティングファネル全体を考慮せず、
バナークリック率等ポップアップ単体としての指標を追求するあまり、
ユーザー体験を損なうポップアップが多いのは残念ながら事実です。
こういったポップアップには以下のような共通点があると分析しています。
- サイト訪問中に同じポップアップが何度も表示される
- ポップアップのどの箇所をクリックするとどういったことが起きるかがわかりづらい
- ポップアップが閉じられない、閉じ方がわかりづらい
- ポップアップで訴求されている内容がニーズ・インサイトに合致していない
Web接客ツールを導入する上で、どういったUIでポップアップ表示されるか、
そのUIがユーザーにとってストレスのないものなのかを見極めることも重要です。
データ連携機能が充実しているか
Web接客施策はあくまでマーケティング全体で目標を達成するための1つの施策であり、
Web接客施策がどの程度マーケティング全体の目標に貢献しているかを計測することも重要です。
例えばGoogle広告などの広告出稿を実施している場合に、
Google経由でWeb接客ツールが導入されているランディングページにユーザーが流入したとします。
Web接客ツールを介さず直接ユーザーがページ上でコンバージョンした場合は、
問題なくGoogle広告にコンバージョンデータを連携できますが、
注意すべきなのがWeb接客ツール側の機能によっては、
Web接客ツールを介した場合にGoogle広告などの外部ツールにデータ連携できない可能性がある点です。
データ連携ができない場合、Web接客経由でどの程度コンバージョンが発生しているかや、
コンバージョン後のユーザーエンゲージメント(例:リアル店舗への来店、リピート購入)といった、
マーケティング上で重要な指標が追えず効果検証も不十分となるため、
導入を検討しているWeb接客ツールがこういった機能を備えているかも注視すべきでしょう。
当社が提供するWeb接客ツール「Keenest Engagement」
当社では、こういった注意点にも対応したWeb接客ツール「Keenest Engagement」を提供しております。
すでに他社ツールを導入しWeb接客施策を実施しているものの、
成果につながっていなかったり運用リソース不足でお困りの場合はもちろんのこと、
Web接客施策を初めて検討するという場合でも、
施策効果を最大化する上で当サービスをご活用いただくことをおすすめしております。
ここからは当サービスの概要や特長、料金等について説明します。
サービス概要

Keenest Engagementはタグを設置いただくだけで、
訪問ユーザーが任意の行動(例:ページ離脱)をとった際にポップアップバナーを表示し、
ポップアップバナーをユーザーがクリックした際に、
さらに商品やサービスを訴求する対話形式シナリオも表示することができるWeb接客ツールです。
「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」を組み合わせた複合型のWeb接客ツールでありながら、
1つのタグを設置いただくだけでシームレスにポップアップ・シナリオ両方のWeb接客施策を実行できることに加え、
デジタルマーケティングの豊富な知見・経験を持つスタッフがコンサルティングを担当することで、
Web接客施策の企画から実行までを手厚く支援しています。
サービス特長
Keenest Engagementのサービス特長をより詳しく解説していきます。
「ポップアップ+シナリオ型」の複合型Web接客ツール
当サービスでは「ポップアップ型」「シナリオ・チャット型」それぞれのWeb接客機能を1つの管理画面上でシームレスに管理でき、
それぞれの利点を引き出しやすいようなサービス設計になっています。
ポップアップ部分においてはよくある離脱防止ポップアップとしての利用だけでなく、
経過時間や無操作時間、ページスクロール(上下)、HTML要素クリックといった、
さまざまなトリガーで表示できます。
また、ページURLだけでなく、表示履歴やCookie、HTML要素有無といった、
さまざまな条件で表示するかどうかを制御することもできます。
ポップアップ表示するバナークリエイティブ全体のうち複数の範囲のみを指定して、
各範囲ごとにクリックした際の挙動を設定することができるため、
ユーザー体験を担保することも容易です。
シナリオ・チャット部分においてはあらかじめストーリーを作成する方式ですが、
ユーザーがストーリー途中で選択した内容に応じてその後のストーリーを分岐させることができ、
ユーザーのニーズ・インサイトに応じた適切な筋道で、
ユーザーをコンバージョンといったアクションに引き上げることができます。
また、ポップアップ部分とシナリオ・チャット部分は内部でデータ連携しているため、
他社ツールだと途切れがちな効果計測の面でも安心です。
最低限必要な対応はタグ設置のみ。開発工数ゼロで導入可能
当サービスでは1つのJSタグを設置いただくだけで導入ができます。
他社ツールだと複合型Web接客ツールの場合でも、
ポップアップ部分とシナリオ・チャット部分それぞれで別々のタグ設置が必要であったり、
それぞれのデータを連携するためのシステム対応が必要ですが、
当サービスでは原則そういった対応不要でご利用いただけます。
そのためGoogleタグマネージャー等のワンタグツールを導入済みであれば、
開発工数ゼロで導入することも可能です。
コンサルティングオプションにより企画から実行までワンストップに支援
当サービスでは単なるツールの提供だけではなく、
ポップアップやシナリオの企画・制作から実行までをワンストップに支援することも可能です。
ここまで解説したように、Web接客の施策効果を最大化するためには、
ユーザーのニーズ・インサイトを仮説立てした上で、
適切なクリエイティブやシナリオのストーリーを企画・制作し、
A/Bテストを通して仮説・効果の検証を繰り返し行わなければなりません。
一方、マーケティング担当者様には他にも優先度の高い施策があり、
Web接客ツールの企画・実行面までには十分なリソースを投下できず、
ツールを導入しただけになってしまっていることでお悩みのケースも多いのではないでしょうか。
当サービスではデジタルマーケティングの豊富な知見・経験を持つスタッフがコンサルティングを担当し、
Web接客施策の効果を感じていただけるよう責任を持って伴走いたします。
※もちろん、ツール利用のみのご契約も可能です。
サービス料金
Keenest Engagementの料金体系は以下の通りです。
月額費用 | 備考 | |
---|---|---|
基本月額 | 19,800円(税込) | ※1ヶ月あたり150,000PVまで、30,000シナリオ表示まで |
コンサルティングオプション | 都度見積もり | ※ポップアップやシナリオのクリエイティブ企画・制作やA/Bテスト、レポーティング、定例MTG実施をクライアント様のご要望に合わせてオーダーメイドに提案するプラン。 |
実際の月額費用について、モデルケースをいくつか紹介します。
月額費用 | |
---|---|
ケース① | 107,800円(税込) |
ケース② | 239,800円(税込) |
ケース③ | 85,800円(税込) |
※上記のモデルケースは2025年9月時点の見積もりです。
※導入サイトのPV数やシナリオ表示数によっても見積もりが変動します。
※MTGやレポート、A/Bテストの具体的な内容(サービスレベル)によっても見積もりが変動します。
Keenest Engagementでできないこと
Keenest Engagementはサービスの仕様上、以下のようなご要望にはマッチしません。
- チャットをユーザーが起動した際に、オペレーターを利用して都度マンパワーで個別対応したい
- チャットの会話を生成AIを活用して自動応答にしたい
- ECの顧客や在庫といったデータも含めて一元管理したい
現時点ではご要望にお応えできかねる場合もございますが、
今後も随時、機能改善や追加の計画がありますのと、
他ツールとの組み合わせやコンサルティングによって課題が解決する可能性もありますので、
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
まとめ
この記事ではWeb接客の概要・種類、Web接客ツールについて解説してきました。
Webサイトを訪問するユーザーのニーズやインサイトを理解・整理し、
効果的なクリエイティブ・シナリオを訴求することができれば、
Web接客を施策として導入することによる改善の余地は非常に大きいです。
Keenest Engagementではツールの機能面でこういった施策を実現するだけでなく、
コンサルティングを通して施策の企画から実行までワンストップに支援しておりますので、
ご検討の場合はぜひ一度お問合せください。
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